コスモエコパワー株式会社、九電みらいエナジー株式会社、国立大学法人神戸大学、レラテック株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「沖合における風況観測手法の確立に向けた研究開発(沖合における風況の直接観測に係るニーズおよび観測手法に関する検討)」に採択されました。
https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100414.html
国の第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの主力電源化に向け、洋上風力は切り札とされています。その中でも浮体式洋上風力発電は、世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を有する我が国において、エネルギー供給安定性、持続可能性の向上とともに、地域経済活性化や産業技術振興の面で貢献できるとして、大いに注目されており、早期の事業化に向け、現在、国や事業者などで鋭意、技術検討等が行われています。
浮体式洋上風力発電の事業化には、事業性評価のための沖合における高精度な風況データの取得が不可欠ですが、乱流強度などの風況観測精度や、観測手法の低コスト化・合理化などの面で課題が残っております。
これらの課題に対し、再委託先である株式会社リーデッジテクノロジー、DNV ASを含めた本コンソーシアムは、低動揺浮体と動揺低減装置等の組合せにより観測装置(ドップラーライダー)の動揺を低減する革新的な風況観測ステム「浮体式洋上プラットフォーム」による観測手法を開発し、沖合でも陸上と同レベルの高精度風況観測の実現に取り組むものです。本手法により、浮体式洋上風力の低コスト化や安全性向上、事業リスク低減が期待できます。
本研究開発は2025年度から2027年度末までの3年間を予定。むつ小川原洋上風況観測試験サイト(青森県六ヶ所村)にて風況観測精度と運用性能等を実証します。
本年6月3日には洋上風力発電施設をEEZに設置できる法案が衆院で可決されるなど、浮体式洋上風力の社会実装に向けた環境整備も拡がっています。本コンソーシアムは当該研究開発を通じて、沖合風況観測の低コスト化・高精度化、そして安全性の確保を実現し、我が国の浮体式洋上風力発電の導入加速化に貢献してまいります。
以上
【企業情報】
コスモエコパワー株式会社
• 本社住所 〒141-0032 東京都品川区大崎1-6-1 TOC大崎ビルディング
• 資本⾦ 71億6480万円
• 設⽴ 1997年7月1日
• 代表取締役 野倉 史章
• 業務内容 風力発電による売電事業、風力発電事業の経営並びに経営指導、風向・風速・騒音等に関するデータの収集・
処理・分析・解析・精査及び受託業務、風力発電所のオペレーション業務及び受託業務、風力発電機械の保守・
補修業務及び受託業務
• HP https://cosmo.eco-power.co.jp/
• お問い合わせ先 https://cosmo.eco-power.co.jp/contact/
九電みらいエナジー株式会社
• 本社住所 〒810-0022 福岡県福岡市中央区薬院3-2-23 KMGビル8階
• 資本⾦ 154億6015万円(2025年4月8日時点)
• 設⽴ 2014年7月1日 ※(株)キューデン・エコソル(2009年12月16日設立)より商号変更
• 代表取締役 水町 豊
• 業務内容 再生可能エネルギー発電事業(太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力発電の開発~運営、販売)
• HP https://www.q-mirai.co.jp/
• お問い合わせ先 九電みらいエナジー株式会社 経営企画部門 経営企画部(広報) 山本
TEL:092-981-0970
国立大学法人 神戸大学
• 本部住所 〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1
• 設⽴ 1949年5月31日
• 学長 藤澤 正人
• HP https://www.kobe-u.ac.jp/ja/
• お問い合わせ先 広報課 TEL:078-803-5106/ E-mail:ppr-kouhoushitsu[*]office.kobe-u. ac.jp
([*]を@に変えて送付願います)
レラテック株式会社(英名: Rera Tech Inc. ; RTI)
• 本社住所 〒658-0022 兵庫県神⼾市東灘区深江南町5丁⽬1-1
• 資本⾦ 7,000万円(2024年6月現在)
• 設⽴ 2020年11⽉
• 代表取締役 ⼩⻑⾕ 瑞⽊
• 技術顧問 ⼤澤 輝夫、林 陽⽣
• 業務内容 ⾵況観測・解析・予測評価、コンサルティング、研究開発(共同研究:神戸大学、産業技術総合研究所ほか)
• HP https://rera-tech.co.jp/
• お問い合わせ先 レラテック株式会社 田中、高松
MAIL:press[*]rera-tech.co.jp([*]を@に変えて送付願います)
※営業を目的としたお問い合わせはご遠慮いただきますようお願い致します。
【参考1】 現状(本コンソーシアム提案の背景)
【参考2】 本提案のポイント
①浮体式洋上プラットフォーム
※動揺低減装置は、株式会社リーデッジテクノロジーならびに他2者が「NEDO新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に
向けた技術研究開発事業」にて研究開発を実施した動揺低減機構を用います。(JPNP10020)
② 鉛直ライダー⇒カップ式風速計への乱流強度観測値補正
【参考3】 事業期間
2025年度~2027年度
【参考4】 実施体制
【参考5】 想定実施場所
【参考6】 主な風況観測手法
風力発電所および風況観測手法の主な事例
1. ドップラーライダー(Doppler Lidar):ドップラー効果による周波数の変移を観測することで、観測対象の相対的な移動速度と
変位を観測する事のできるLIDARの一種。LIDARとは、Light Detection and Ranging(光検出と測距)、
Laser Imaging Detection and Ranging(レーザー画像検出と測距)の略であり、光を用いたリモートセンシング技術の一つ。
2. スキャニングライダー:レーザービームを照射し、大気中の浮遊粒子による後方散乱を受信することで、風況を観測できる装置。
沿岸に設置し、洋上に向かってレーザーを発することで洋上の風況を測定できる。スキャニングライダーは首を振りながらレー
ザーを照射して、レーザーが通った部分の風況を測定する。
3. フローティングライダー:洋上の浮体構造物に上空の風をレーザーにより測定するドップラーライダーを設置し、洋上の風況観測
を行う装置。
スキャニングライダーやフローティングライダーを利用することにより、風況マストで観測する事が困難であった、洋上の高高度や水深の深い海域での風況観測が比較的容易に可能となります
【参考7】 むつ小川原洋上風況観測試験サイトについて
公式Web: https://mo-testsite.com/
むつ小川原風況観測試験サイトの風景
むつ小川原洋上風況観測試験サイトにおけるライダー機器の観測の様子
(左:洋上サイトのフローティングライダー、右:陸上サイトのスキャニングライダー)
むつ小川原洋上風況観測試験サイトは、青森県むつ小川原港内に整備された、リモートセンシング機器の精度検証が可能な国内初の洋上風況観測施設です。2024年4月より、神戸大学と一般社団法人むつ小川原海洋気象観測センター(MOC)の共同運営体制のもと、本格的な運用を開始しました。現在は観測設備の一般利用者への開放と、風況・気象・海象データの提供を通じて、風力発電事業者や観測事業者、研究者、教育機関、地域関係者などが幅広く利用できる公的な試験サイトの構築を目指しています。
以上